若年性白内障手術体験記(入院編/@右目)
スポンサーリンク
唐突ですが、3泊4日の日程で白内障手術を受けて帰宅いたしました。 せっかくなので体験記を書いておこうと思います。
この記事は医学的知識の無い人間が書いています。あらかじめご了承ください。 若年性白内障そのものについては、Google先生にお尋ね下さい。
結論から先に書くと、手術は大成功です。あと長文です。
経緯など
今までの経緯
視力低下は大学院生時代からですが、白内障と診断されたのはほぼ3年前。
どうにか仕事をしていたものの、限界を感じて退職*1。
あれこれと民間療法や目薬の個人輸入などを試みるも、改善せず。 1年以上にわたり自暴自棄の生活を送ったのち、手術を決意して病院へ行ったのが今年の4月。
経済上の理由も大きいですが、ちょっと作ってみたいものがあり、どんなかカタチにしても視力が必要だという。 周囲に追い込まれたというのも偽りではありませんが。
白内障になった理由
不明です。
私の場合、よく言われるようなアトピーや糖尿病の合併症でもなく、目をケガした記憶はありません。 最初に診断した医師は、「うわ、こりゃ白内障だ…!! 手術しないと失明するよ!!」という反応*2。
何箇所か受診しましたが、「…白内障ですね…。」みたいな感じ*3。
視力低下でアレコレと健康に気を使ったことが裏目に出たのか。
いわゆるフィンランド症候群というやつかも。
不摂生? 目の酷使?
ストレスで自律神経をやられた結果、目に症状出たのでしょうか。
まあ昔から体力が無かったのは確かです。体質で言えば以下のような感じ。
- 低血圧
- 低体温
- 胃弱
どう見ても虚弱ですね。ややドライアイ気味。
手術から逃げた理由
原因を特定しようともせずに、「いつ手術しますか」という医師の姿勢に納得できなかったというのがひとつ*4。 会社の上司も「手術すれま済む話でしょ。復帰後の仕事なんだけど…(意訳)」という感じ。
なんかこう、労働力扱いとでも言えばいいのでしょうか。何でしょう、この違和感。社員は働く機械*5?
とまあ、今になって思えば「要は、勇気がないんでしょ?」だったのでしょう。これはホント、名エントリですね。
あえて今更ながら言わせてもらえるなら、「人間は社会的動物ではなく、感情的動物です」というのが私の感情的見解です。
なぜ入院か
上記のように手術を先送りにした関係で、もしかすると再手術の可能性があったため。 白内障の進行が進んでいた関係でリスクが高めだったので。要は自業自得。 風雨は日帰りみたいですね。
実際の入院と手術について
いわゆる白内障人工レンズ挿入手術(単焦点レンズ)です。単焦点ですので遠方にピントを合わせるか、それとも手元にピントを合わせるかの選択と、同意書の提出を求められます。私は手元にピントの合うレンズを選択。
単焦点ではなく、多焦点レンズもあるそうです。どうも症状が進むと多焦点レンズは選択でき無いようです。 そもそも保険適用外の先進医療だとか。
概要
- 目的: 視力の回復
- 日程: 2015年6月3日から3泊4日
- 場所: 京都K病院 眼科
- 執刀医: たぶんK先生
入院初日(1日目)
人生初の入院です。
午前10時過ぎに病院着。眼圧と視力の検査、および診察。
先生:「明日やります。」
私:「はい…(あれ?それだけ?)」
病室に案内されて基本放置。簡単な説明のあとて首にバーコード付きのバンドを装着*6。時々ひょっこり看護師さんがやってきて注意事項とか薬の説明を受ける。
手術当日(2日目)
簡単に言うと、目のレンズに相当する部分、いわゆる水晶体から濁った部分を除去後、人工のレンズを入れる手術となります。
なんかすごい晴天@京都市。逃げるなら今……。
午前中
「忘れられているかも?」と心配になるぐらい華麗に放置。朝食後に体温測定と血圧測定ぐらい。
昼食後
手術の2時間前から淡々と右目に目薬点眼開始。手術の直前まで15分おき。
1時間前から点滴開始。
看護師様:「手術の2時間前になりましたので、目薬の点眼を開始します。」
私:「はい…」
まあこんな感じのやりとりが2回ぐらい。
手術へ(15:00)
点滴したまま、手術着?を着せられて、お手洗いを済ませたら手術室へGo!!
視力の関係上、転倒すると危険なので、車椅子に乗せられて手術室へ*7。
ドナドナドナ〜、ドナ〜、押されてゆくよ〜
すっごい心細い。
手術開始
TVドラマで見るのとは違って、明るい上に広い手術室へ。名前のと生年月日で本人確認。
手術台に横たわると、頭を固定され、手術する方の右目の周囲になんか固定される。
顔の上を覆われたうえ、目に液体をかけられて手術スタート。
心電図か何かの機械の「ピーッ」という音が少々不気味。
手術中
何が何だかさっぱりわかりませんでした。麻酔の関係で痛みは一切ナシ。 意識はバッチリあるので、医師の先生の指示に従って眼球を動かすだけ。
最初に「左下を見て」と言われたタイミングで角膜を切開したと思われる。
視界を気泡ような、アメーバか何かが蠢いているのを十数分間眺めるだけ。
何度か眼球を動かしたのち、「左下を見て」と言われて、(たぶん)レンズを挿入。
最後になんか先生の指らしき影が見えて、「指動かしてるの見える?」と聞かれる。
素直にハイと返事。
手術終了
ガーゼと眼帯をがっちり固定されて、おしまい。
車椅子に乗せられて控え室?へ移動。点滴が終わるまでしばらく放置、病室へ。 病室に戻ったのがたぶん15:30ぐらい*8。
看護師さん経由で「2時間たったらガーゼを外していい」という指示を受ける。
手術終了後、病室で父と雑談して、そのままベットで安静に。
手術直後の感想
手術室はちょっと寒かった。あと何が何だかわからずちょっと怖かったような。それと手術着とかいうのは意味なさげ。 いわゆる「ありがとうございます」マントラを脳内で唱えてました。
いざ開眼(17:30過ぎ?18:00ぐらいかも)
ひょっこり先生が現れて、カーゼを外していざ開眼。
普通にビビりました。いきなりハイコンラストな世界へ。ピントが合わ無いは、彩度はぶっとんでるわで。こわれたデジカメ?
壁も床も真っ白。視界がクリア過ぎてホワイトバランス完全崩壊。カーテンが柵に見えたり、 ベット脇に置いておいたペットボトルの「十六茶」の文字が際立っておりました。
簡単な診察を受けてあたお、透明プラスチックの眼帯?を固定され夕食を食べてのんびりして就寝。夜中にトイレに行くころには目(脳?)が慣れたのか落ち着いた景色へ。
手術の翌日(3日目)
早朝
6:00過ぎに目薬の点眼を受ける。
だいぶ慣れなのか色彩はともかく、ピントはかなり合う感じに。 私は近距離用の単焦点レンズを選択したのですが、そこそこ遠方も見える。
朝食後に診察と、眼圧、視力検査。まだこの時点では細かい字は読み取れず。
11:00頃
手術を受けた人数名まとめて目薬のさし方の練習。上まぶたに触れないように目薬をさす。 具体的には、左手で握りこぶしをつくり、人差し指を引っ掛けるようにして下まぶたをひっぱる。で、左手を台座に右手で目薬を点眼。
首から下限定でシャワーを浴びる許可が下りたので浴室へ。
そのあとは基本放置。
夕方
ゴロゴロしているうちに見え方が変化。十六茶のラベルの成分表示が読めるように。 ただ円筒状の物体とか金属光沢があると見づらい状態。
翌々日(4日目)
ピント、色彩ともにいい感じに。 ベッド横の液晶テレビのPanasonicの光沢文字もバッチリ見える。 壁や廊下の模様、カーテンの柄をはっきり認識可能。
若干自分の顔色に違和感があるけどあとは基本問題なし。つつがなく退院へ。
そして自宅へ…
MacBookAirの電源をONに、外部ディスプレイ(BenQ)をON。
そしていつもより鮮やかなMacのログイン画面。
「ソロ●ンよ!、私は帰って来たァ!!」
……他に思いつきません。感慨深いものがあります。
現状などなど
現状について
普通にBlogを書けてます。iPhoneもOK。Retinaディスプレイがとっても鮮やか。 結局、VoiceOver を使いこなせずじまいでした。
どうもありがとう、VoiceOver。
現状、橙とか茶色、ベージュなどの色の家具について、「こんな色だっけコレ?」という感じです。
今後の予定とか
約10日後に再入院して左目を手術する予定になっております。
入院生活について
看護師さん他、病院スタッフの対応は非常に良かったという見解。さすがは独立行政法人?。よくわかりませんが。 私の目の問題でしょうか、化粧っ気のないように見えました。
食事はまずくなかったですが、味は付いているのに塩気が足り無い不思議な感覚。。父にごま塩を買ってきてもらって何とかしのぎました*9。
私は基本的にユニクロの長袖パジャマ着てました。 就寝時は上はTシャツだけにしてましたが、これからの季節は夏物の半袖半ズボンみたいなやつの方がいいと思います。 夜は日によっては寝苦しかったり。
全館空調のようなので温度調整ができる衣類が必要ですね。
白内障の場合、洗顔および入浴は自由にできないですが、髭剃り、歯磨きはご自由にだそうでした。 iPad持ち込んでいるご老人とかなかなか興味深い光景を見ました。基本的に老人率高すぎです。
手術後について
とまあこんな感じ。2ヶ月たてば問題無いみたいです。(遠方用のレンズの場合は)手術の翌々日から車の運転もできるようです。 しばらくは眼帯男子ってことで。
まとめ
結論から言うと、「案ずるより産むが易し」でした。若干ですが橙とか薄茶色の見え方に不自然さを感じていますが、慣れの問題かと思います。
何はともあれ、京都K病院眼科の皆様、どうもありがとうございました。左目もどうぞよろしくお願いします。
この記事が誰かのお役に立てば幸いです。手術が成功してホントに良かった。感謝感謝です。
- 作者: 平松類,宇多重員,蒲山順吉
- 出版社/メーカー: 時事通信社
- 発売日: 2016/07/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る