WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~102](2018)の感想
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予約購入していたものが昼過ぎに届いたのでざっくりレビュー。
![WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~102] (WEB+DB PRESS plusシリーズ) WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~102] (WEB+DB PRESS plusシリーズ)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61eSpXiInUL._SL160_.jpg)
WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~102] (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
- 作者: 川合史朗,秋葉拓哉,中嶋謙互,木村廉,酒井政裕,ninjinkun,渡辺訓章,WEB+DB PRESS編集部
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/04/26
- メディア: 単行本
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他の雑誌のバックナンバーより断然良心的価格*1。
これまで*2とと同様、ダウンロード用のコード*3が封入されているのでDVDドライブがなくても問題ない。
内容としては最初の号からVol. 102までの各号と、これまでの総集編と同じく過去の総集編に収録されていたおまけ記事*4をすべて含む。
(特にこれまでの総集編よりも)おまけのエッセイが面白い。
個人的にイチオシはqmailのソースコードを紹介しているエッセイ記事(#03)。djb氏の開発したプロダクトのソースコードは独特だという話は聞いたことがあったけど具体的にどうなっているのかまでは知らなかった。
このエッセイでは設計の特徴について解説しつつどのようにセオリーから外れていて、それでいてどういうメリットをもたらしているのか簡潔に紹介している。他のエッセイと比べてインパクトのあるエッセイではないけど、簡潔明瞭で面白い。特に実務でコードのメンテナンスに苦しんだ人間には琴線に触れるものがある。
話としては下記のエントリとも似ている。
「悪い方が良い」原則と僕の体験談|Rui Ueyama|note
そういえば一定規模のプロダクトのソースコード全体をちゃんと読んだことがない。せいぜいバグ調査で一部のソースを読むぐらい。せっかくなのでこの機会に何か手頃なプロダクトのソースを読むことにしたい。他人を触発するという意味でもいいエッセイだと思った次第*5。
次点はGaucheの川合氏のエッセイ(#01)。やっぱりプログラミング言語を作るような人は中学生あたりで才能を発揮している……。
ラズパイでLEDを点滅させてお茶を濁している自分としてはものすごい自己嫌悪。
中学生の頃、旧式のPCがあったけどせいぜいソリティアとタッチタイピングの練習ぐらいであとは何してたっけか*6
あとはバックナンバーの一覧ページを眺めた感想。
表紙のデザインの変遷を眺めるだけでも面白い。特に200X年代前半のパソコン雑誌コーナーの一角に隔月で顔を出していたであろう時期のデザインを見ると感慨深い*7。当時一緒にパソコン雑誌コーナーにあった他の面々(アスキーのLinux マガジン、UNIX USER、etc.)はもう影も形もないし。
過去の特集記事の一覧を眺めていると定期的に繰り返されるテーマというかトピックがあるのが面白い。サーバーサイドとクライアントサイドの綱引きと言うか、シーソーのような。分散系がもてはやされるかと思えば冗長化のための技術が注目されたり。
長期トレンドとして抽象化と省力化というただなんとなく自分も年を取ったなという感じがしてくるのがつらいところ。
抽象的な内容の特集記事は嫌い*8なんだけど、雑誌のバックナンバーの集合体としてみると意外と抽象的な特集記事の方が有益に見える。
特定のプロダクト*9についての具体的な記事だけでなく「XXXはかくあるべき」系の法論などの抽象的にな記事と両方必要だということを再認識した。
WEB+DB PRESSの場合は隔月だからまだいいんだけど、同じ出版社のSoftware Designの方はちょっと考慮してほしい*10。
それはさておき、Software Design方も総集編が発売されないものか発売されるらしいです(5年ぶり)。

- 作者: Software Design編集部
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/05/26
- メディア: 単行本
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単行本化されない連載記事とかなんとかエンジニア要請読本みないにムック化されない特集記事で有益なものは結構あるはず。
単行本化してない特集と連載記事だけ定額読み放題とかどうなんでしょうか。もしくは定期購読の特典扱いで。
サーバーサイドの話題とクライアント側の話題、言語やフレームワークの新バージョン、開発理論に組織論とか。
むやみにググるよりは手元の技術書や雑誌のバックナンバーのほうが的確だったりするので手元にあって損はないです。
あとはPDFからテキスト抜き出してトレンドの変化を分析するのもありかな。

Software Design 総集編 【2001~2012】
- 作者: SoftwareDesign 編集部
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2013/03/27
- メディア: 大型本
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