ラズパイ3と microSD あれこれ
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ただの動作報告みたいなものです。
先に結論。Transcend製のmicroSDはdd
コマンドと相性が悪いか、もしくはラズパイと相性の悪いハズレ個体がある模様。どうも東芝製のmicroSDが一番無難。
東芝の経営が大丈夫かというのはともかく、microSDは安定しているようです。
Transcend製microSD 関連
発生する症状は下記の通り。現象はRaspbianとopenSUSEで発生。SDカードリーダーに問題があるとは思えない。
- 初回起動時の、起動プロセスのどこかで失敗
- 問題なく動作するが、再起動後に起動プロセスのどこかでストップする
- 問題が必ず発生する訳ではない
- 問題を起こしてmicroSDを他の用途に使う分には不具合は起きなかったりする*1
年属で大量にデータを書き込んだ場合など、熱がこもるとおかしくなるのか、もしくはラズパイのトリッキーな起動プロセスと相性が悪いのかは判断できず。
必ず起きる訳じゃなくて、不定期に発生するのでたちが悪い……。発生すると大抵ファイルの破損を伴うのでdd
コマンドによるディスクイメージの書き込みからやり直しになる。
結局、セット商品として購入時についてきた海外マイナーブランドのmicroSDが大活躍。東芝製のmicroSDを購入したので移行中です。
以下、Transcend 製microSDに関する不具合事例(ラズパイ2を含む)。
- 文系男子がRaspberry Piを買ったんだがとても苦戦している - 僕の世界観を変えてみる
- Raspberry Pi 2とTranscend 16GB microSDでエラー多発 - がちゃのーと。 Gotcha-Note
- Raspberry Pi 2 B 日記 - 西尾泰和のはてなダイアリー
dd
コマンドでインストールした場合は上手くいかなくても、NOOBSというツールを使ってセットアップした場合は問題なかったというブログ記事も見た覚えあり。
動作報告情報
やや古い情報も混じっているが、下記のページが網羅的にまとめられてる(英語)。
どのメーカーについても相性問題の報告があるのでこのメーカーなら安全とは言い切れないように見える。
別メーカーのOEM製品の可能性もあるし。
ラズパイ2、3ともにToshiba、Sandisk、Panasonicあたりが確実。
ただし、ラズパイ3とSandiskの組み合わせででダメだったという報告例あり。
デジカメとかスマホのお下がり品のmicroSDで試してみるのが一番かも。
動作した microSD の詳細情報
手元にあるmicroSD で動作したものを記載しておきます。
Linuxから確認できるデバイス情報をチェックする。方法は、前記のサイトの方法。
$ cd /sys/class/mmc_host/mmc?/mmc?:* $ echo "man:$(cat manfid) oem:$(cat oemid) name:$(cat name) hwrev:$(cat hwrev) fwrev:$(cat fwrev)"
各項目の意味は、カーネルのドキュメント参照。
https://www.kernel.org/doc/Documentation/mmc/mmc-dev-attrs.txt
MIXZA
液晶とラズパイのセット商品に付属してきたやつ。地味に高性能。単品でも購入できるがちょっと未知数。
別の販売業者も存在しているが取扱終了になっている。
"MIXZA TOHAOLL" とかで検索されたし。
カード裏面にはMade in TAIWANと記載。
香港の会社みたいだが詳細不詳。だって中国語のページしかないし。
レビューを記載しているサイトにあるパッケージ画像を見る限り、
Produced by: Hong Kong Mixza Industrial Limited.
Agent Company: Shenzhen YEHENO Electronic Limited.
$ echo "man:$(cat manfid) oem:$(cat oemid) name:$(cat name) hwrev:$(cat hwrev) fwrev:$(cat fwrev)" man:0x00009c oem:0x534f name:USD00 hwrev:0x0 fwrev:0x2
2行目がmanufacture id などカードの製造元の情報。番号に対応する企業名は公開されていない。
elinux.orgで確認するとSonyの64GB品と同じ結果が出てる。……そんなアホな。
OEM元の製造工場が同じなのか、あるいはどちらかがコピー品とか?
Toshiba
ググってみた範囲では低速モデルについては結構実績がある。
class 10規格の製品のみ注目すると、読出し速度で40MB/s、48MB/s、90MB/s*2、95MB/sとグレードごとにかなり差がある。270MB/s*3って製品もある。 ラズパイ側のmicroSDカードリーダー自体が高速規格に対応していないので意味がないけど。
東芝 microSDHC 32GB Speed class10/ UHS-I class3 最大90MB/s 高速のEXCERIAシリーズ THN-M302R0320C4 [並行輸入品]
東芝 microSDHC 32GB Speed class10/ UHS-I class3 最大90MB/s 高速のEXCERIAシリーズ THN-M302R0320C4 [並行輸入品]
- 出版社/メーカー: TOSHIBA 東芝
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
「風見鶏 -カザミドリ-」という販売業者から購入。
$ cd /sys/class/mmc_host/mmc0/mmc?:* $ echo "man:$(cat manfid) oem:$(cat oemid) name:$(cat name) hwrev:$(cat hwrev) fwrev:$(cat fwrev)" man:0x000002 oem:0x544d name:SA32G hwrev:0x2 fwrev:0x5
製品情報ページを見ると、一部の商品は生産終了になっている。
Sandisk
ダメだったという報告が存在しますが、私の手元にあるものは問題ないです。型番次第なのか個体差なのか不明。
私が入手した海外パッケージ品は問題なく動作しています。
SanDisk microSDHC Ultra 80MB/s 32GB UHS-I SDSQUNC-032G Class10 SD変換アダプター付属 サンディスク 海外パッケージ品 [並行輸入品]
- 出版社/メーカー: SanDisk
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
「風見鶏 -カザミドリ-」という販売業者から購入。
型番:SanDisk microSDHC Ultra 80MB/s 32GB UHS-I SDSQUNC-032G
$ cd /sys/class/mmc_host/mmc0/mmc?:* $ echo "man:$(cat manfid) oem:$(cat oemid) name:$(cat name) hwrev:$(cat hwrev) fwrev:$(cat fwrev)" man:0x000003 oem:0x5344 name:ACLCD hwrev:0x8 fwrev:0x0
相性問題の報告のあったモデルとは少なくともname
が違う。
先頭の0x000003
はサンディスクらしいので問題ない。どこの工場なのか、とか他は特定できず。
その他
高耐久とか動作保証とかいうのもあるけど、保証期間1年だったり書き込み速度がイマイチだったりして微妙。
当面は東芝製のmicroSDが一番確実ではないでしょうか。
参考URL
- SDカード : 一部のブランドの、Manufacturer ID (MID/manid) が記載されてる
- Raspberry Pi microSD card performance comparison - 2018 | Jeff Geerling:ベンチマーク(2018)
- Raspberry Pi microSD card performance comparison - 2015 | Jeff Geerling:ベンチマーク(2015)
manufacture id は松下が0x000001
、東芝が0x000002
、SanDisk が0x000003
なのは確実なようです。
おしまい。
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