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書評:『ゲームを動かす技術と発想』


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ゲームを動かす技術と発想

ゲームを動かす技術と発想

5月に50%オフで買ったやつ。

可もなく不可もなし、悪い本ではないけど、特別すごいことが書いてあるわけじゃない。

3Dグラフィック処理について、負荷軽減のヒント集としては悪くない。


本格的に3Dゲームを作ってみようと思った人が、専門書を読む前に読む本。最初のとっかかりとしては良書。

多分、同じようなコンセプトの本は他になさそうなので貴重ではある。

概要

前半がコンピューターのハードウェアの仕組み。後半がゲームにおける主に描画周りのテクニックを平易に解説している。

具体的なソースコードは記載されていないが、考え方を理解するには十分。ただ、2012年の本なので最近の話題は取り扱ってない。

  • 固定レイアウト
  • ごく一部を除いてソースコードは登場しない
  • 処理速度を稼ぐためのノウハウ中心
  • 索引込みで335ページ
  • あとがきが無難すぎてつまらない

感想

中途半端の一言に尽きる。

想定読者のレベルが微妙。中学生でも理解できるないように思えるが、4章(特に4.5節)の2進数関連の説明が中途半端。

浮動小数点数についてはバイアス値*1の説明がないまま。


後半のCPU/GPUの負荷を軽減するノウハウの話は面白い。

ただ、クォータニオンとジンバルロックの説明はよくわからなかった。

前半はともかく後半については、ゲーム開発側の視点から、その機能が必要な背景を説明しながら紹介している。

GPUの機能について「なぜ」と「どういうメリット」があるかをしっかり説明しているところがポイント。

ただ単にGPUの機能を列挙したり、項目別に説明されるよりは格段にわかりやすい。

まとめ

ゲーム制作に興味がある中学生、高校生あたりが読むにはいい本ではないかと思った。

もちろん二進数の演算とかその辺は他の本でフォローする前提で。


価格と内容のバランスからすると、どちらかというと新書として出して欲しい内容だろうと思う。

*1:指数部に127をバイアスする

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