今日も微速転進

ここではないどこかへ

「失敗」云々ではなく、試行錯誤といったらどうか


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Twitter 経由で興味深いスライドを見つけた。

シリコンバレーのスタートアップの仕事の進め方を紹介しつつ、発表者の著書を宣伝しているスライド。

www.slideshare.net

宣伝対象はGEについての本。

GE 巨人の復活

GE 巨人の復活

どういう話?

約70枚のスライドだが、現在のシリコンバレーの様子(様相?)に関するスライドを除くとどこかで聞いたような話のミックス。

  • すばやく製品をリリースして、改良を繰り返す
  • イノベーションには体系化された方法論がある
  • デザイナーはファシリテーターである
  • 製品ではなく顧客のニーズを解決する何かを提供する
  • 短期間で失敗を繰り返して成功につなげる
  • GEやフォードのような大企業でも変わろうとしている

従来とはデザイナーのポジションが違うのかな。プロジェクト単位の発想からプロダクト(製品 or サービス)を中心に考え方を変えたのか。あとはシリコンバレーには規律(というかベストプラクティス?)があるよ、という話。

印象的なのは24枚目のスライド(『「テクノロジー企業」の意味が変わった』)で、

  • 昔は「テクノロジーを売る会社」
    • シリコンバレーならHP、Intel、Oracle、Cisco Systemsなどがテクノロジー企業
    • IBM、Microsoft、Dellなどはシリコンバレー以外
  • 今は「テクノロジーでビジネスを営む会社」
    • ただし昔で言う「ユーザー企業」のことではない (テクノロジーは自社で作ってるので)
    • 広告(Google、Facebook)、交通(Uber、 Lyft)、ホテル(Airbnb)、金融(FinTech)、 農業(AgTech)、法律(Legal Tech)…

あとは外注するとノウハウが蓄積しない、とか必要な人材をがっつり雇うとかGEがどういうことをしているかという話。

で、それはさておき。

失敗云々ではなくて

早く失敗しろ、とか激しく失敗しろ、ではなくて、試行錯誤(トライ&エラー)でいいと思うんですが。

失敗という単語のネガティブな響きが良くないのでは?

試行錯誤でいいじゃないですか。あと創意工夫。もちろん予算裁量権も。

試行錯誤のサイクルを高速で回す、というのは同意する。そういう事例は日本にもある。

例えば、青色発光ダイオードの中村修二さんの(ノーベル賞受賞以前の)著書に、「自分で実験装置を改造していたので、下請け企業に依頼している企業や外注している大学の研究室より短期間で何回も実験ができた」という内容の記述があったはず(うろ覚え)。

怒りのブレイクスルー―「青色発光ダイオード」を開発して見えてきたこと (集英社文庫)

怒りのブレイクスルー―「青色発光ダイオード」を開発して見えてきたこと (集英社文庫)


中村修二さんの場合でも日亜化学に初代社長ががっつりお金を出してくれた、とか、2代目社長が量産のための予算と人材を引っ張ってきたというのも大きい。

科学系の有名な研究室だと他所にはない自作の実験装置という飛び道具を持ってるケースが多い。

よそが真似できない独自の研究をする、というのもあるけど、科学系で競争に勝とうとするなら独自路線で人より先に行くか、地道に試行錯誤の回数を増やすかのどちらかになる。

がっつり研究費を確保して札束の力で数を揃えるか、何らかの創意工夫がないと勝負にならない。

あとは理解ある上司。

確かにシリコンバレーはお金もあれば創意工夫のできる頭脳の持ち主もいる。そのうえ理解ある上司と進取の気風(?)まで全部揃ってる。

個人的見解のようなもの

他の要素はともかく、失敗を繰り返して改善するというのはシリコンバレーの専売特許ではない。

最初から一筆書きというか一発勝負で決めようとせずに、まず軍事用語の威力偵察という感覚でやってみればいい。

小手調べというか下見(毒味?)は間違いなく必要。そういう探りもなしに、やれリスクと取れだの嘯いて竹槍で突撃しても玉砕するだけ。

まともな装備と情報は重要。日本軍の二の轍を踏まないために。

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

(なけなしの)予算とできる限りの裁量権を与えて、あとはどっしり構えたまともな上司。

シリコンバレーの礼賛もいいけど勝てる体制を少しでも整えてくださいって話。

成功か失敗かの二元論もいいけど、まず試行錯誤と創意工夫でいいじゃないですか。


なんか書いているうちにおかしな文章になってしまった。

おしまい。

超訳孫子の兵法

超訳孫子の兵法

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