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書評:『達人に学ぶDB設計 徹底指南書』


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[2018/09/27 追記]

改訂版が出るそうです。

以下は旧版についてのレビューです。

[追記ここまで]

ざっくりですが一通り読んだので簡単にレビュー。

概要

達人に学ぶDB設計 徹底指南書 初級者で終わりたくないあなたへ

達人に学ぶDB設計 徹底指南書 初級者で終わりたくないあなたへ

達人に学ぶDB設計 徹底指南書 - ミック - Google ブックス

リレーショナルデータベース(RDB)やSQLに関する著作をたくさん書いているミック氏のDB設計に関する本。

テーブルの定義をどうするか、理論とバッドノウハウケーススタディを解説している。

明記されていないがおそらく対象読者としてDB設計担当のSEを想定している。DBのパフォーマンスと設計のトレードオフがテーマ。

DB設計の定義については「はじめに」には「論理設計」「物理設計」も対象しますと書いてある。 ただ、本書で言うところの「物理設計」の話題を取り扱っているの第2章の一部ぐらい。

特徴

  • 「なぜ」と「何のために」に重点を置いているの
  • きれい事の理論だけでなく、理想と現実のトレードオフ
  • バッドノウハウだけでなくグレーノウハウという落とし所

学者の書いた本ではなく実務家の書いた本。用語の定義と説明に終止する専門書が少なくない。一方、この本は実務家の視点で書かれているため納得しながら読める。

リレーショナルデータベースという名称の由来など、他の本やサイトであまり言及されないような小ネタも載っている。

感想

4〜6章と8章は非常に有意義だった。ただし、9章はDB設計というよりは最近のDBの新機能のひとつ、という感じで完全に書き手の趣味という気がした。

RDBの考案者の著作を参照していたり、RDBに関する概念の由来やメリット・デメリットを解説しているので非常に納得感がある。

(この本に限った話ではないが)本の内容全体を総括するようなまとめの章がないので唐突に終わる感じ。

RDBシステムと付き合うなら一度は読んでおいて損はないかと。

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