今日も微速転進

ここではないどこかへ

hontoの電子書籍リーダーついてのメモ書き

国内資本の書籍販売サイト、honto電子書籍リーダーについて。まだ購入したのは1冊だけなので書籍によって違いがあるかも。

macOS

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はっきり言ってひどい。控えめに言ってダメダメ。

  • 検索不可
  • テキスト選択不可
  • マーカーもコメント機能も使えず

極めつけはコミックでもないのに見開き表示オンリーで変更できないようです。これはひどいと言わざるを得ない……。

問い合わせみましたが現状では仕様とのこと。

Android

まとも。

  • テキスト選択
  • マーカー、コメント機能が使える
  • 辞書機能
  • Web検索
  • 本文の検索

文字サイズの変更もできる。

電子書籍を開く際にMCBookという表示が出ます。モリサワのライブラリでしょう。

MCBook - Google 検索

おそらくiOS版も同じライブラリを使っているとするとそこまでひどくはないでしょう。

その他

結論としてはmacOS版のリーダーアプリが残念。冷遇されている感じがする。

Windowsは時間ができれば試してみたい。

『新しい文章力の教室』、読了

よくネットで文章の書き方のおすすめ本として紹介されている、『新しい文章力の教室』という本のレビューです。

トータル2時間程度で読み終えました。

本の内容

ナタリーというネットメディアの社内研修の内容を整理して書籍化した本。著者の唐木 元氏は元編集長。

全部で5章に分かれており、合計77のトピックという形式。第1章以外は順序を気にせずに読んでも問題ない。

第1章は効率よく(速く)良い文章を書くための準備、それ以降の章は各トピックで良くない例と改善例を提示して、丁寧に理由を説明していく形式。

あくまでも文章表現の本であり、原稿用紙の使い方や字下げのルールといった細かい規則については解説されていない。

この本のテーマは主に2つ。1つ目は効率よく「良い文章」を書くための準備作業の重要性。具体的には何を書くかの整理と順序などの文章の構造の検討。2つ目が読みやすい文章にするためのノウハウ。

面白いところは効率よく文章を書くための準備作業が結果的に読みやすい文章につながっているところ。

なお、各章の末尾にコラムとしてメディア運営の裏話が掲載されており、読み物としても楽しめる。

この本の良いところ

例文が簡単でわかりやすく、解説も論理的かつ非常に丁寧。ルールの押し付けではなく納得しながら読める。

読みやすい文章と、そうでない文章の対比から文章を改善していくポイントが見えてくる。

また、主義主張のための文章ではなく、読みやすい自然な文章という点で一貫しており、癖がない。

こんな人におすすめ

  • 自分の書いた文章をたくさんの人に読んでもらいたい人
  • 効率よく文章をかけるようになりたい人
  • 自分の文章に自信がない人
  • 記事作成のスピードを上げたい人
  • サイトの直帰率を下げたい人

一般の人向けに何らかの文章を書く、そういう機会のある人は読んでおいて損はないです。。ブログ記事のリライトを考えている方にもいいと思います。

感想

他の本と違い、客観的に情報と伝えることを強調していてところが意外。また、理系のレポートの書き方の参考書として有名な理科系の作文技術と違って例文がわかりやすいのは非常にいいと思いました。

良い文章の定義としてラーメンの完食ならぬ「完読してもらえる文章」という定義は面白い。もちろん異論はあるけれども 一般向けの文章としては限りなく満点に近い定義ではないでしょうか。

読みながら気づいたことですが、ブログに限らず文章を書いていることに他に書きたい事に気がついたり、発想が飛躍したりしてまとまりのない文章になるケースが多いです。 何故かと言うと、この本の指摘のとおり書く前の準備が不十分なまま書き始めているから。

今後は書く前のネタの整理をちゃんとやるようにしようと思います*1

まとめ

読むまでは半信半疑でしたが、確かにいろいろなブログで紹介されているだけのことはありました。良書です。

文章を書くことに苦手意識のある方はもちろん、そこそこ文章書けるという方が読んでもかなり参考になると思います。


*1:この記事でもそうしようとしていまいち上手くいってないですが

今週のふりかえり(2018年6月第5週)

週ごとのふりかえり記事のタイトル、「今週の」ではなく「先週の」にしたほうがいいかもしれないと今更思っているところ。

QUOカードをゲットしたので早速、本を買うのに使った。

続きを読む

書評:『技術同人誌を書こう! アウトプットのススメ』

購入の動機は電子書籍でストック型の所得、すなわち不労所得を目指したいから。同人誌だけで左団扇は無理だとは思うけど参考になるだろうということで。

本の概要

技術同人誌を書こう! アウトプットのススメ (技術書典シリーズ(NextPublishing))

技術同人誌を書こう! アウトプットのススメ (技術書典シリーズ(NextPublishing))

コミックマーケット93?で配布された同人誌の商業版。

コンセプトは「1冊読めば、技術書を書いてイベントで売るところまで全体の流れがわかるマニュアル本」。

タイトルにあるとおり、紙媒体の同人誌を技術系の内容で作成するために必要な内容を網羅している。

内容は題材の選び方から印刷所の選び方、入稿の注意点まで多岐にわたる。ただ、文章の書き方そのものは解説されていない。ある程度文章を掛ける人が対象。

電子書籍を書くためのツールのインストール方法と初期設定(Re:ViewおよびWord)については詳しい。Wordのスタイル機能の設定に関しては同人誌以外のフォーマルな文章でも役に立つはず*1

一人の著者ではなく複数人で分担して執筆されている。そのあたりの経緯は関係者のブログなどを参照。

関連:本文212Pの分厚い薄い本の共同執筆を支える技術 - Qiita

NextPublishing版と同人誌版の違い

少見出しのひらがながカタカナになったり、税金についての章が追加されたり、付録の構成が変化したり。 特に付録は「この本の執筆環境について」という章が削除されて「技術同人執筆者たちの生き様」が追加されている。

目次をテキストに保存して比較してみたので以下ご参考。

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同人誌版の入手

同人誌版の原稿データ一式がまるごとGitHubで公開されている。

Dockerとgitがあれば原稿データからPDFを生成できます*2。またはBoothで有償で購入。

GitHub経由で入手する場合はまずDockerをインストールしておく必要あり。

PDFをRe:Viewで生成する必要があるのでDockerデーモンが起動した状態で端末エミュレータ*3を起動して下記のコマンドを実行。

$ git clone https://github.com/onestop-techbook/c93-onestop-techbook.git
$ cd c93-onestop-techbook/
$ docker run --rm -v `pwd`:/work vvakame/review /bin/sh -c "cd /work/articles ; review-pdfmaker config.yml"

生成されるファイルは、articlesというディレクトリの中の、c93-onestop-techbook.pdf`。

macOSならそのまま下記のコマンドを実行するとプレビューでPDFが読めます。

$ open articles/c93-onestop-techbook.pdf

太っ腹ですね。

感想

行間から著者陣が執筆を楽しんでいるだろうという雰囲気がにじみ出ている。

言葉は良くないかも知れないけど、物好きというか、変人の集まりのなせる技。だれかに命令されたわけでもないのにこういう本ができあがるのはすごいと思う。

個人的には紙媒体で印刷してイベントで頒布したいとは思わないが、電子書籍は作りたいと思っているので非常に参考になった。

疑問に思ったところ

ノンブルに関して

10章のところ。

なのノンブルもページ番号も、表紙1と表4にはつけません。

「表紙1」はともかく、唐突に「表4」と言われてもわからない。誤字脱字のたぐいかと思って真剣に悩んでしまった。「表4」とは「表紙4」。

11章に下記の説明がある。

表1(表紙)表4(裏表紙)、表2(表紙の裏)、表3(裏表紙の裏)

表紙の「表」なのか、表計算の「表」紛らわしい。

そのほか

Re:ViewかWordの2択状態はちょっとどうにかして欲しいと思った。ダウンロード用のカードを配布したという事例に言及しているけど、ダウンロードURLを どう発行したとか、そういうノウハウが解説されていないのはちょっと残念な印象。

まとめ

商業出版ではなく同人誌としての印刷を前提にしたノウハウが中心ですが、技術系の同人誌から商業出版というパターンも結構あるようなので イベント参加はともかく、書籍を書く側を目指すなら読んで損はない本です。

2018年6月末現在、Kindle版が約半額。手元にパソコンがあればDockerさえ動けば同人誌版は無料で読めます。

以上です。

同人誌のデザイン - 手に入れたくなる装丁のアイデア

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  • 作者: 井上綾乃,しまや出版,BNN編集部
  • 出版社/メーカー: 株式会社ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2017/11/13
  • メディア: 単行本
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*1:ちゃんと設定してWordを使っている人は少ないはず

*2:要するにただで読める

*3:要するにターミナルかiTerm2

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