「機械学習で男性エンジニアを女性に」という炎上案件について
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いまいちコンテキストが理解できないのだけど。
その場に「いなかった人」がどうも文脈を把握しきれずに騒いでいる感じがする。
これ音声を機械学習で変換しようという技術についての発表ですよね?
女性エンジニアが少ないことと、機械学習は何の関係も無いのに女装写真とか変な前振りをつけているっていう。
悪気はなかったんではないかな。
研究の動機の話
男性の声を女性の声に変換するメリットについて、説得力のある説明ができなかったのではないかと思う。
なにか発表しろと言われて、音声の変換というネタはあるんだけど、イントロダクション部分がイマイチだった。 そこでだれかの入れ知恵か、無理にこじつけで「女性エンジニアが少ない」という話題にこじつけたか、笑いを取りに行ったのか。
学会発表向けのスライドだったら前後のロジックに無理がありすぎて普通にストップがかかるはず。
所属がYahooの中の人らしいのでだれか社内で止める人がいなくても不思議ではないのかも。
前フリと発表の対象技術がちぐはぐなのは確か。
アプローチがまずかっただけでは?
コナンくんの蝶ネクタイ型変声機ネタで攻めればよかったのはでは?
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女性エンジニアがいないと云々という言い回しが一種のセクハラ加害者的な発想と受け取ららたのかなという理解。
男性が女性の前で格好をつけたがるというのは割とよくある話で、とある企業のリストラの際に、あえて女性秘書を同席させたという話もある*1。
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確かに女性側からしたら不快なんだろうけど、本人は深い考えはなしに、男子校のノリで笑いを取りに行ったんだろうと思う。
技術的にどこまでのレベルか知らないけど、その場のウケを狙うなら、コナンくんネタで行けば良かったのにと思う。
軽度難聴の観点から
聴力低下の副作用で相手の声質によって極端に聞き取りにくい時がある。聴力低下によるダイナミックレンジの低下が原因なんだろうけど、 この声の変換技術、補聴器に組み込むとかそういう応用が期待できるという気がした。
むしろそういう笑いを取るネタではなく、真面目に実用路線でアピールして欲しかった。
お役人様から予算を引っ張るのに有効だよきっと。
職業名に「女性」という修飾語をつけることに関して
特定の職業において、性別に偏りがある、というのは多様性の問題。そもそも、エンジニアって性別に影響されない職業だと思っていたのですが、違うんですかね?
「女性〇〇」という表記がおかしいんではないでしょうか。
まずマスメディアが好んで使うそういう、「女性〇〇」っていう表記、それ自体が暗黙に普通は女性はこの職業には就かない、という偏見を助長していると思います。
男性看護師といえば違和感に気づくはずです。女性社長とか女性起業家とか、そうやって都合のいいときだけ「女性」を強調するし。
日本は言霊の国()らしいのでそこからちゃんとしないと。
まとめ
不適切な表現があったからと言って、技術の可能性をと切り捨てないでいただきたい。声質変換でググると結構ヒットするので技術的には 実績のあるテーマみたいだし。
音声系の技術は耳の悪い人間のQoLの向上とか、笑いを取る以外の応用を目指してほしい。健常者にはありがたみがわからないんだろうけどね。
やっぱりその場にいなかった人が大騒ぎして、拡散させているのは違和感ある。
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*1:男性は女性の前でみっともなく泣きわめきづらいという解説が書いてあった