Kindle Unlimitedで読んだ本と簡単な書評(2016年9月後半)
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今月の後半分。アメリカへのリスペクト感が高まっております。
前半の分は以下より。
ビジネス・教養
『アメリカ人の物語』
[2017/01/19 追記及びリライト]
アメリカ人の物語 ジェームズタウン創建記・青年将校 ジョージ・ワシントン: 合本版1 (歴史世界叢書)
- 作者: 西川秀和
- 出版社/メーカー: 青史書店
- 発売日: 2015/10/14
- メディア: Kindle版
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1月20日付で紙媒体版がAmazonから購入できるようです。いわゆるオンデマンド印刷ではなく、出版社によるハードカバー版。
アメリカ人の物語 第1巻 青年将校ジョージ・ワシントン (アメリカ人の物語 1)
- 作者: 西川秀和
- 出版社/メーカー: 悠書館
- 発売日: 2017/01/20
- メディア: 単行本
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表紙が洗練された感じに仕上がっています。表紙の天使はアメリカの画家によるもの*1。
File:Abbott Handerson Thayer - Angel - Smithsonian.jpg - Wikipedia
パッと見た感じでは全体的に文章が読みやすくなったほか、地図が見やすくなっています。その代わり挿絵がモノクロ、ページ数の関係上、注釈はなし、です。
電子書籍版の方に収録されていたジェームズタウンの初期入植者のエピソードはカットされ、(初代大統領となる)ジョージ・ワシントンにフォーカスした構成になっているようです。
出版社ページ:「アメリカ人の物語」シリーズ
[補足情報ここまで]
タイトルはローマ人の物語のもじりでしょうか。 合本版と通常版があります。まるで『ローマ人の物語』のハードカバー版と文庫版みたいですが。
冊数が多いと不便なので合本版にしています。一冊あたりが短い方が読む分にはラクですが管理がツライので。
どうやら合本版は通常版の8冊分相当のようで、Kindle Unlimited 非加入の場合は合本版の方が安いです*2。
書籍の問題ではなく閲覧ソフトウェアの問題ですが、同じシリーズの本はまとめてグループ化する機能が欲しいところです。
アメリカの歴史に関しては漠然としか知らなかったので、大変感銘を受けました。日本の建国史から近代史に比べれば、アメリカ建国史のドラマは輝いて見えます。その一方で、今の大統領選挙を見ると複雑な気分です。特に独立戦争終了後のワシントン、ジェファソン、ハミルトンらの活躍ぶりを見ると、ウォール街の資金援助を隠そうともしないヒラリーや露骨なロビー活動の噂には失望します。
他にもスノーデン氏のリークした個人に対する監視とか、アメリカの諜報機関の暗躍の話とか、もし(初代大統領の)ワシントンが生きていたらどんな反応をするのでしょうか。社会全体、あるいは公共の利益のためなら容認するのでしょうか。
他国への干渉は認めないと思うのですけどね。
ローマ人の物語を読んだうえで共和制から帝政への変遷などを知っているとより楽しめる本だと思います。
気になった点としては小難しい漢語表現、文語表現が多いのが難点。読めない、あるいは読みに自信が持てない箇所に遭遇するとスムーズに読めないので辛いものがあります。何度もKindleの辞書機能のお世話になりながら読みました。たまに内蔵の辞書にない表現があったりしてアメリカと無関係に勉強になりますが、(いつものペースで読めないので) 技術書ばかり読んでいる人間にはツライです。
シリーズ一覧:アメリカ人の歴史 合本版
『アメリカを作ったもの』
アメリカを作ったもの ?The American Saga?: 植民地期の歴史・政治・宗教の影響を知りアメリカ文化の本質を理解するための入門書
- 作者: ウィリアム M トワデル
- 出版社/メーカー: 渡貫由美
- 発売日: 2016/05/15
- メディア: Kindle版
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アメリカ建国史のダイジェストというか、背景知識の簡略版。
率直に申し上げて尻切れトンボ。
内容が途中で途切れているように思える。分量は少なめで読みやすい。時間があるなら上記のアメリカ人の物語の方をお勧めする。
『日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。』
- 作者: 太田英基
- 出版社/メーカー: いろは出版
- 発売日: 2015/02/08
- メディア: Kindle版
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前から気にっていたので読んでみました。定価で買わなくて良かった、というのが率直な感想です。
疑問に思ったところ。
- 「僕らは動く」という日本語への違和感*3
- なぜそんなに働きたがるのか? 遊んで暮らそうとか思わないの?
- (著者自身の)渡航費用・留学費用はどうやって確保したのか?
- 場所にこだわらないのは評価するが、なぜ「日本人」にこだわる?
- 電子書籍版の『出逢う』の「逢」の字が画像ですが…。素直に「出会う」にしておけばいいのに。
- 「日本社会の恩返し」ではなくて現地に還元すべきでは?
グローバル、グローバル言いつつ、結局日本人にこだわるのか?
起業経験+海外滞在経験があっても日本人にこだわるのは理解できない。やたら働きたがるのも理解できない。本人の自由だけどさ。
先立つものは金ですね。
比較的恵まれた家庭の出身なのかな。まあ頑張ってください。
技術系
『コンピュータープログラミング入門以前』
- 作者: 岩永信之
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2011/06/29
- メディア: Kindle版
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正誤訂正:コンピュータープログラミング入門以前
間違いなく自分が対象読者ではないことは明らかでしたが、まあ復習がてら読んでみました。
コンセプトは理解できるんだけど対象読者のレベルをどのあたりに設定しているのか良くわからん。
プログラムを書くうえでハードウェアやオペレーティングシステム(OS)の知識があった方が良いという点は同意する。
文系からプログラマになった方にざっくりでいいから読んで欲しいと思う類の本。ただし、電気系でも情報系でもない人間が読んでわかるレベルまで丁寧に説明はされてない。
前半は高専の電気工学かを卒業して電子情報工学科に編入学した人間からすると全体的に「懐かしい」*4なトピックがほとんどだった。
図が多い点とコンセプトは評価するけど説明が雑な箇所がある。そこそこ網羅的なので研修のテキストとして使うにはいいと思う。また、専門用語の英語表記と元になった英単語の意味がカッコ書きで記載されている点は評価したい。
画像はp.105より。
そのほか気づいた点としては、
- p.131:8バイト整数(64ビット符号付き整数)の最大値は約9千京ではなく約9百京
- p.146:
C#
のサンプルのコメントで、論理積と論理和のコメントが逆では?(ショート・サーキット演算の解説)
以上、まあご愛嬌。
最大の難点は固定レイアウトであるところ。
『Cプログラミング入門以前』
一つ上のでセクションで説明している本とタイトルが似ているが別の著者の別コンセプトの本。
- 作者: 村山公保
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2006/05/30
- メディア: Kindle版
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固定レイアウト。
まず「はじめに」で『地面を耕さずに植物を植えると〜』というたとえ話が出てくるが、不耕起農法(不耕起栽培)*5というのもあるんでこれはどうかと思う。
説教くさい。入門以前と言いつつ、Cのコードを例示している箇所があるので微妙な感じ。
各章ごとの演習問題で、カタカナの専門用語の英語表記について、読みと意味を確認させるというのは面白い試み。
重箱の隅をつつくと、オペランドは「非演算数」ではなくて「被演算数」…(p.194)。
語学
『その英語、ネイティブにはこう聞こえます』
- 作者: David A.Thayne(ディビッド・セイン) 小池信孝
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2014/02/27
- メディア: Kindle版
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ものすごく勉強になりました。特にPART2の『微妙なニュアンスがよくわかる。』がなかなかいい。学校英語ではほとんどニュアンスの違いが説明されないので。
要望を一点だけ。
正しい方の英文の文字サイズをより大きくして欲しい。
間違った方の英文の方が文字サイズが大きいのでそっちが印象に残ってしまいかねない……。
著者のWebページで関連書籍が無料ダウンロードできる模様。
『マンガで覚える英単語』
センター試験によく出る表現を云々とある通り、受験英語くさい。別にフルカラーである必要なかったのではなかろうか。
マンガ形式にするなら日常生活をネタにして、一般的な会話表現を中心にした方がよかったのではないか。
宗教
『英和対訳 旧約聖書』
- 発売日: 2016/02/23
- メディア: Kindle版
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英語とキリスト教文化の両方を勉強できるかと期待したのだけども……。
段落単位で対訳になっているかと思ったら章単位……。英文に番号がふってあって、英文がまる一章分続いて、そのあとに対応する文頭に番号のついた和文が一章分続く形式。
リフロー形式は評価するけど、どうも読みにくい。
全部ではないけど同じ団体から他にもKindle Unlimited の対象になっているものがある。
タイ関連
『タイ移住マニュアル』
- 作者: ?田胤臣
- 出版社/メーカー: Nature NENEAM & Phiirathas Co.,Ltd.
- 発売日: 2013/11/16
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2012年頃の情報がベースだが内容は面白い。雑誌連載の名残なのか、各章で冒頭の文章が重複している箇所がある。
移住とまではいかなくても、タイの文化に興味があるなら読んでみて損はない。この本を読むまでは仏教国だの親日だのといった漠然としたイメージしかなかったが、移住者の目線からの見解を読むとまた 違ったイメージで(フィリピンよりは)好感が持てる。
一番意外だったのはタイでは銃が購入できるという点(形態するには許可が必要。基本的に特定の職業のみ)。もっと安全なイメージだったのに。
『格安! 安全! 月5万円からのチェンマイ英語留学』
- 作者: 仲谷めい
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2014/12/04
- メディア: Kindle版
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格安! 安全! 月5万円からのチェンマイ英語留学! 2 ?世界各国から英語を学ぶためにタイを目指す人たち?
- 作者: 仲谷めい
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2015/04/23
- メディア: Kindle版
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格安! 安全! 月5万円からのチェンマイ英語留学! 3 ?本気で遊べるチェンマイ! 観光編?
- 作者: 仲谷めい
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2015/08/14
- メディア: Kindle版
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女性の留学体験談がベース。1から3までKindle Unlimitedの対象。まだ2巻の途中までしか読めていませんが、まとめて紹介しておきます。こちらも2012年頃の情報によるもの。
読みやすいが情報量が少ない印象。特に1巻はいかにも導入編という感じで内容に乏しいです。2巻はそこそこの情報量。
3巻の末尾に4巻の予告が記載されていますが、現時点では発行されていない模様です。
参考(著者のブログ):格安!安全!月5万円からのチェンマイ英語留学!
その他
『アメリカで働く為の基礎知識』
- 作者: 早田泰輔
- 出版社/メーカー: TAIZAN
- 発売日: 2016/01/03
- メディア: Kindle版
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学者系の方なのか一文が長い。内容はお堅い職業の方が書いた文、常識に関するものが多く参考になる。どこまで役立つかは実際にいかないとわからないが。
ちょっと誤変換が目につく。非常にもったいない。
- s/言い習慣/良い習慣/
- s/依然と比べると/以前と比べると/
- s/会社での豊富/会社での抱負/
移民ではなく「遺民」という表現が出てくるのだがこれは誤変換なのか意図的なのか判断できない。国が滅びたにもかかわらず、かつての文化や伝統を守っている人々に対して「遺民」ならわかるがまとめて「遺民」になっている。遺民が13件で、「移民」は3件。
『日本人には塩が足りない!』
- 作者: 村上譲顕
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2013/10/04
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マクロビ系御用達の、 海の精 赤ラベル 240gの会社の方が書いている本のようです。
あまり科学的ではないという印象。高血圧塩分原因説を否定するところまではいいのだけれど、その先が著者の推測になっている。「何処の誰それがこういう実験をして…」という場合はどの論文なのか明記して欲しい。参考文献書かないと。
『塩不足』という表現を使っているけど、文脈によってはカリウム過剰の結果を指している箇所もある。一つの単語を多義的に使うのはやめて欲しい。「血液の汚れ」も同じ。この場合は血液の成分異常の方がいいと思う*6。
過ぎたるは及ばざるが如し、かな。何事もほどほどに。
うちの母親はいつも薄味で中途にマクロビをやって肺ガンになっているので、塩分がキーであるという点は同意します。しかしながら、塩を作っている会社の本なので、塩の消費量を増やす主張になるという点は考慮して読む必要があると思います。
フィリピン生活関連
男は50過ぎてからが華! ?海外「プチ」王様生活をはじめるための指南書? 「プチ」王様シリーズ (DNAレーベル)
- 作者: 鈴木武男
- 発売日: 2016/02/20
- メディア: Kindle版
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男は50過ぎてからが華! ?海外「プチ」王様生活をはじめるための指南書? 実践編 「プチ」王様シリーズ (DNAレーベル)
- 作者: 鈴木武男
- 発売日: 2016/03/11
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ちょっとフィリピンの常識はついていけない。あと日本人が海外でなめられているのを聞くのは悲しい……。
運転手メイド付きの生活は憧れるけどこの本読むとフィリピンはナシかなと思う。低所得層の話が中心とはいえ、さすがにげんなりする。
閉鎖的で相互監視の日本社会よりはいいのかもしれないが。
イマイチ経済発展できない国の特色として「賄賂」と「自分の非を認めない」は重要なポイントみたいです。
ただ、移住してから慢性鼻炎が治ったらしい*7ので、その点は心惹かれる。
昔読んだやつ
『日本「半導体」敗戦』
- 作者: 湯之上隆
- 出版社/メーカー: メディアタブレット
- 発売日: 2013/07/08
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学生時代にペーパーバック版を読んだ。まあなんというか日本勢ダメじゃんと思った。
製造機器を毎回フルモデルチェンジしてたらそりゃ効率悪いよねって話とか参考になった記憶がある。
電気・電子系に見切りをつけた遠因になった本だけど、半導体業界に限った話ではないと思う。
振り返り
独立初期のアメリカに対するリスペクトが激しく上昇している今日この頃です。それとチェンマイで語学留学してみたいです。
それではまた。