書評というか読書メモ(『基礎から学ぶ Vue.js』)
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いい本だと思うが問題点がないわけではない。他の本との比較するまで保留かな。
概要
- 作者: mio
- 出版社/メーカー: シーアンドアール研究所
- 発売日: 2018/05/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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リファレンス寄りの本。チュートリアルではない。表紙が可愛らしい。
どう読むか
最低でも1章と2章で雰囲気はつかめる。 小規模なサイトなら4章まで(できれば5章も)。 ある底の規模のサイトに活用するなら7章から9章も読む。 SVGに興味がなければ6章は後回しでもいいかも。
どの程度Javascriptに慣れ親しんでいるかで読み方は変わる。 Javascriptに限らずある程度プログラミング経験のある人向けの本。
Chapter 7以降は写経せず。流し読み。
内容について
p.79 配列のインデックスで値は更新できるが、値の変化を検出できないらしい。 わかりにくい。
p.81
li
タグの、`v-if="item.hp" は冗長では? 入力し忘れても動いた。p.82 オプションにデータを持たず(略)直接、使用できます。 ←意味不明。 → v-for文?の in の後ろにリテラルを直接(略)なんだけど読点の位置が不自然で語句が足りないので不自然な文章になっている。
p.100, 101 唐突に「ハッシュは更新されます。」、「ハッシュは更新されません」という文が出てくる。ハッシュの説明がない。
href
属性の値がブラウザのロケーションバーに表示されるかどうかの事を言っている。一瞬なんのことだか悩んでしまった。 てっきりオブジェクトの持つハッシュ自体が変化するのかと思った。p.127 lodash が必要。
- p.238 インストールしていないのに
vuex
をロードしている
疑問点
構成に関して
- 仮想DOMの説明がちゃんとされていない。取ってつけたようなコラムがあるだけ(p.92)→理解していなくてもVue.jsは使えるけどそれでいいのか?
- セクション21からセクション25の「コンポーネントへのデータの受け渡し」と「(親子関係の)コンポーネント間のデータの受け渡し」の箇所は先に全体像を示したほうがよかったのでは
コラムの内容についての疑問
p.219のコラム 。
これまでにも出てきた、コンポーネントやモジュールのようにコードを分割することを、抽象化といいます。抽象化の単位はさまざまですが、ざっくりいえば処理を抜き出して依存の少ない汎用的なコードにすることを指します。
手段と目的を混同しておかしくなっている。コードの分割だけなら抽象化ではないし、コードの分割、汎用化だけでは抽象化とはいえない。
ただのコードの再利用を抽象化と言われても。
要望
リストに関する説明で「動作しません」という表記があるが、「見かけ上は動いているように見えるが問題がある」とはっきり書いてほしかった。重箱の隅を突くようではあるけども。
(実際に入力して試すことを期待して)サンプルソースの一部を抜粋して表示している箇所と、解説のために一部をピックアップしているのかわかるようにしてほしい。また、構文の紹介、あるいは独立したコードの例を示しているのかも紛らわしい。
HTMLとJavascriptをセットで例示している場所はいいが、どうも解りにくい。
まとめ
他にまとまった本がない*1時点では良書。サンプルコードも丁寧。
ただ、わかりにくい箇所はわかりにくい。
ただ、この本の著者がオブジェクト指向プログラミングなど、技術的な背景を理解しているのか疑問。
*1:まだ発売されてない