京都市の元学区について

自分の住んでいる場所以外の学区について全然知らないので調べてみたら話はそんなに単純ではなかったのでエントリ化しておく。


京都市の避難勧告は「学区」という区分にもとづいている。問題がこの学区がどこからどこまでか、という話。

学区とは

そもそも、この元学区とはなんぞやという話から。「元」とつくのは別の「学区」が存在するからであり、「学区」という単語は文脈依存で意味が変わってしまう。

  1. 明治時代に学校を作ったときの初期の町内区分(番組小学校。強いていいうなら旧・元学区)
  2. 戦後の市町村合併や整理・統廃合を経たうえでの学区(元学区)
  3. 小学校の通学エリアのこと(学区または校区)

とりあえず1. には言及しない。

まず、特定の地域単位で町内会が集まって小学校を作ったという歴史的背景の関係*1で、戦前の小学校の通学エリアに地域名を冠して学区と呼んでいたものが現在も残っている(これが2.であり元学区)。この時点では町内会の連合がそのまま小学校の通学エリアだった模様。

その後、諸々の事情で京都市の市域が広がったことに加えて町名などの変更と小学校の統廃合で昔の学区名と現在の学区名は一致しないようになったという。

この辺りの歴史的経緯の説明は下記のページが詳しい。

「地域参加のススメ〜京都に伝わる「町」と「元学区」〜」│ 京都移住計画

行政側の地域区分のは諸事情で変化しても住民側の自治組織は昔のまま。それがそのまま防犯とか防災の自治組織の区分として残っている。

行政側は小学校の通学エリアとしての学区と、住民基本台帳の『住所コード』による地域区分(国勢統計区)を使用している(これも元学区コードなどというのがある)のでさらに話がややこしくなっている。

京都市 学区(元学区)別 すまいの子育て環境検索サイト|京すまいの情報広場

また、個人のブログで町名と元学区を列挙されている方がいる。

[地理] - 京都府・京都市 拘泥情報

避難勧告と学区(元学区)

念のため京都市防災危機管理情報館のページ記載の番号に電話してみました。

避難勧告の「学区」の正体は、自主防災の学区名

国勢調査の統計区の名称でも、住民基本台帳の学区でもない。

元学区の名称と比較する限り、消防団の守備範囲とほぼイコールと考えていいと思う。

具体例を挙げておくと、例えば岩倉。国勢調査の学区は「岩倉」だけど現行の元学区としては岩倉北、岩倉明徳、岩倉南の3つ*2

自主防災の区分としては岩倉北岩倉南。明徳という消防団があるので岩倉明徳は単に明徳になると思う。避難勧告もこの学区名で出るとのこと。

後述するが把握している可能性があるのは消防署か消防団だろうと思う。

京都の治水と昭和大水害

京都の治水と昭和大水害

行政(京都市)と学区

「学区」は一定の地域の自治会・町内会等が自主的に集まってできているものですので,正確な範囲は行政では把握していません。ただ,国勢調査のための区域割り「国勢統計区」の範囲が,「学区」と概ね一致していると考えられますので,国勢統計区をご確認ください。なお,国勢統計区と学区の名称等が一致しない場合もあります。(下表参照)町(地番)が属する学区を厳密に確認したい場合は,地域コミュニティサポートセンターにご相談ください。ただし,サポートセンターで確認しても不明な場合もありますのでご了承下さい。

引用元:http://www5.city.kyoto.jp/chiiki-npo/images/jichikai/gakku/gakku.pdf

避難勧告は学区名ベースなのに京都市は正確な範囲を把握してない、と。それはそれで恐ろしくないか……。


大まかでいいので確認してしっかり広報してくださいよ、それ。

市の事業で元学区単位でやっているものがあったような気がするんですが、そんなアバウトなものに税金投入してるんか?

自分の住所の学区(元学区)を勘違いしていると死人が出るような気がする……。後述するが知りたいなら近所の人か消防団とか経由で。

国勢統計区の区分と学区名の不一致

下記のURLの2ページ目にリストがある(前述のPDFと同じもの)。

http://www5.city.kyoto.jp/chiiki-npo/images/jichikai/gakku/gakku.pdf

名称が全然違うものがあって勘弁して欲しい。

参考情報・関連URL

国勢調査の区分の数と、それぞれの区の自主防災会の数が一致していないところは要注意かと思う。

区役所のページで自主防災会に言及してリストを載せているのは左京区だけ。あとは学区紹介を載せているか、全然情報がないかのどちらか。

自主防災の元学区とは消防団が一番一致率高いのではないかと思う。

京都市消防局:京の消防団

学区に関する情報で区のページで見つけたものを以下にリストアップしておく。

番組小学校との対応資料があったのでリンクを記載しておく。

都市史26 町組改正と小学校

調べ方

近所の人に聞くか、ダメ元で消防署。

日頃から自治会とか地域の防災活動に取り組んでおくのが一番確実。

良くも悪くも京都の行政は何かのたびに「元学区」単位でやろうとするので嫌なら引っ越すのが確実だろうと思う。

町内会とか自治会に入ると会費とは別にお祭りの積立金とか強制参加させようとしてくるからあまり勧めたくはない。

おわりに

スマートフォンの位置情報から住所、住所から元学区とか考えたけど容易ではなさそうなので諦めます。

下手すると消防署に自主防災会の担当の電話番号聞いて、所属の自治会の連絡先*3聞いて、そこから各自治会の担当範囲(?)を聞くってのは現実的ではない。

消防署の管轄範囲のデータをゲットできるなら自治会側の管轄範囲は気にしなくてもいいかもしれないけど、そういうのは行政の仕事でしょうよ。

Googleマップとかオープンストリートマップとか活用してくださいってことで。


歴史のある自治体ならではの悩みどころかなあと思いました。

意外と知らない“古都”の歴史を読み解く! 京都「地理・地名・地図」の謎 (じっぴコンパクト新書)

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*1:政府・行政が本格的に動く前に住民が協力して学校を作った

*2:平成13年に分割したらしい

*3:個人宅の番号だろうと予想される