国語辞書アプリを買った話
Twitterで話題になっていたアプリです。割引キャンペーンだったので(1月31日まで)。
想定したよりもはるかにUIがいい。
「朝」で検索したところ。
また、カタカナ語はちょっと不安でしたが結構収録されているようです。
詳細は開発元ページへ。
参考:「即買い以外にないですよ」日本最大の国語辞典がiOSアプリに。おすすめの使い方を聞いてみた
面白いと思ったところ
あくまでも個人の主観です。
インデックス画面
タテヨコ両方向のスクロールで、見出し語を一覧できるようになっている。UIKit
のUICollectionView
をカスタマイズしているのかな。
一昔前にデジタルの欠点としてよく言われた、「デジタルは一覧性が良くない」という主張に対する一つの回答になっている。
画面サイズの大きいiPad Pro あたりで使うなら、決定打と言えるレベルではないでしょうか。
ひとつひとつの見出し語のセルの文字サイズが違うのも意外な点。文字サイズが不揃いになっているおかげでうまくメリハリがついていて逆にいい。
物書堂さんの他のアプリについては購入したことがないので以前からこうなのかもしれませんけど*1。
検索機能
これもなかなかよい。検索語の入力ボックスの左側のアスタリスクのアイコンをクリックすると、パターン検索(シェルのメタキャラクタ拡張?)の特殊記号の入力ができるようになっている。
普通の正規表現とは違って、シャープ記号を任意の漢字、アットマークを任意のカナに対応する特殊文字として使える。内部で[\p{Han}]
とか`[\p{Hiragana}\p{Katakana}]‘というようにユニコードの文字プロパティに展開されているか?
まったくの余談ですが、ラ@
で「ラーメン」にヒットするかと思ったがダメだった。長音記号はかなには含まれていないらしい。検索結果が多すぎるとまずいのか、ら*
でも「ラーメン」はヒットしない。「ラガー」、「ラグーン」*2などの単語はヒットするのに。ら*ん
なら問題ない。
検索パターンの展開エンジン(正規表現エンジン?)、どうしてるんだろうか。 ソフトウェア開発者の端くれとしてはとっても気になります。
シェイク操作で検索ボックスの文字列がクリアされるのも地味ながら便利。
イラストなど
こういう図表が省略されていないのもいい。
そのほか
内部でlibxslt を使っているらしい。辞書データがXMLなのだろうか。手書き入力はオープンソースのtomoeでもZinnia}ではなくパナソニック製のライブラリらしい。
まとめ
従来の、スタンドアローンの電子辞書*3の欠点をきっちりカバーしているのではないかと思います。
高校などの試験でスマートフォンを持ち込めないケース*4は不都合があるかもしれませんが、もはや学生ではないですし。
収録語彙数が多いはずなのに全然もっさりしていないし、使い勝手のいいUIのお手本みたいな感じ。
病院の待ち時間の暇つぶしとしてなかなかいい。あまり夢中になると名前を呼ばれても気づかないのでちょっと危険。
それではまた。
今更ながら『2Dグラフィックスのしくみ』を読み終えた
久々の更新です。2015年の夏に発売された本のレビューです。
2Dグラフィックスのしくみ ――図解でよくわかる画像処理技術のセオリー (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: FireAlpaca開発チーム
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2015/08/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (3件) を見る
以前から気になっていたが、この前本屋で実物を確認できたので(電子版を)購入。
概要
画像編集ソフトの開発者が、普通の人*1向けにコンピューターにおける画像処理についてあれこれ解説した本?
対象読者はパソコンで絵を描いている人で画像編集ソフトの仕組みについて興味がある人。もしくは、2Dグラフィックスに興味がある人で簡単なC言語のソースを読める人。
ざっくりと特色をまとめると、以下のようになる。
- 画像編集ソフトの開発者が執筆した一般向けの読み物
- 画像編集ソフトの使い方の本ではない
- 画像処理の専門書ではない
たいていの画像処理の専門書は顔認識など画像を解析して応用することをゴールにして書かれている。
一方、この本はいわゆるお絵かきソフトに関連するトピックを中心に解説している。 「あとがき」で言及されているとおり、対象読者が曖昧な気がする*2。誰が企画書書いたのか知らないけど、よく企画が通ったものだと思う。
構成
一般向けの読み物と言いながら、処理の解説の箇所で簡単なC言語のコードをモロに用いている。コンセプトといい、非常に挑戦的。まさに意欲作である。
巻頭にとってつけたように用語集がある点は親切。しかしながら、一般的なパソコン用語と、画像処理固有の用語やアルゴリズムの名称などまとめて五十音順に並んでいる。どうせなら各章の冒頭に関連する用語のみ説明するとか、もう少し工夫の余地があったのでは。
- 0章:著者によるご利益のアピール
- 1章:プログラムの動作の仕組み(および最低限のC言語の解説)
- 2章:グラフィックス一般(図形描画処理のノウハウ)
- 3章:画像処理(画像編集ソフトでよくありがちな処理について高速化のヒントなど)
- 4章:レイヤーの取り扱いなどペイントソフトならではの話
最後の最後でJPEGの圧縮に使われている離散コサイン変換の説明でぶつ切りになったかのごとく唐突に終わる……。 コードリストを一通り眺めてページをめくるといきなり索引のページが続くのではっきり言ってびっくりする。
内容の詳細は出版社のページへ。
2Dグラフィックスのしくみ ――図解でよくわかる画像処理技術のセオリー:書籍案内|技術評論社
感想
非常に読みやすい丁寧な文章。(C言語のコードが苦にならないなら)特に高度な数学の知識は不要でスラスラ読める。一般向けの画像編集ソフトを開発している方による視点というのは有意義だと思う。
他の本を読む前にこの本を読んでいた方が効率よく画像処理分野について学べたかもしれない。
自分では分かったつもりだった知識(アルゴリズム)が、Cのソースに落とし込まれているのを見て意外と理解できていないことに気づかされる箇所がいくつかあった。
どういう経緯で執筆することになったのか不明ですが、ユーザーが間違った知識のせいで(画像編集ソフトを)おかしな使い方をしている、という現状をどうにかしたかったのかな?
画像編集ソフトの開発者なりにもっと活用して欲しいという思いがにじみ出ている。
残念なところとしては一般向け扱いなのでどうしても広く浅くなりがちな点。あとは詳しく解説して欲しいと思うトピックがほんの数行、言及しておしまいだったりとか。
いくら一般向けでもこの記述はちょっとはしょり過ぎでは?という箇所もあるし。人によって興味を持つトピックは違うので仕方がないとは思いますが。
対象読者層が狭いわりに、興味を持つ読者のニーズに幅があるんじゃないかと思う。
アルゴリズムの解説については問題点とか以前のヒントを示すというのはいいと思うが、参考文献があるとなお良かったのかと思う*3。もちろんネットでキーワード検索して調べればいいのだけど*4。
高解像度のカメラを搭載したスマートフォンの普及とプログラミング教育への関心が高まっている昨今の社会情勢からすると、潜在的に画像処理分野に興味を持つ人は増えているように思います。もう少し対象読者を明確にしていればかなり部数を狙えたのではないかでしょうか。
あれこれ文句を書いたけど、コンセプト自体は画像処理関連の分野における『プログラムはなぜ動くのか 第2版 知っておきたいプログラムの基礎知識』という書籍のようなポジションも狙えたと思う。改訂版もしくはよりソフトウェア開発者よりの内容の書籍に期待したい。
まとめ
画像処理分野に興味がある方の最初の一冊として、あるいは今までなんとなく画像編集ソフトを使っているが操作手順に自信が持てない方にオススメかと思います。
グラフィック関係のアプリを作る場合にも間違いなく参考になるはず。特に画質と処理速度のトレードオフの解決のヒントになると思います。
難点はやはり、一般向けのはずなのにアルゴリズムの説明がC言語のソースを用いている点。理工系の出身でも人によっては嫌がるのではないだろうか。個人的には変に数式と文章よりわかりやすいのですが。
価格がもう少し安いと良かったかなと思います。
関連リンク
- 出版社の紹介ページ:2Dグラフィックスのしくみ ――図解でよくわかる画像処理技術のセオリー:書籍案内|技術評論社
- 著者のブログ(はてなダイアリー):2015-08-24 - Qtプログラミング日記
- 関連記事:知っておきたい! 2Dグラフィックスの厳選キーワード[画像フォーマット編]:新刊ピックアップ|技術評論社
- この本の著者の開発しているソフトウェア:フリー ペイントツール (Mac/Win 両対応) FireAlpaca [ ファイア アルパカ ]
他の方による乾燥など。
- 2Dグラフィックスのしくみ +Kazuma Arino に勧められて軽く読んだけど、じつにユニークな本だなこれは。 お絵描きツールを開発している著者が…
- なんとなくお絵かき 『2Dグラフィックスのしくみ ――図解でよくわかる画像処理技術のセオリー』 感想
参考
この書を読んで、物足りないと思ったなら、画像処理の専門書としては下記が網羅的に解説している。数式多めであまり親切とは言えないけど、一通り解説されてる。
- 出版社/メーカー: 公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)
- 発売日: 2015/08/10
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
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- 発売日: 2015/08/10
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価格が結構しますが、Kindle Unlimitedでも読めます(ただし固定レイアウト)。
また、画像処理の教科書としては下記がわかりやすいかと。
- 作者: 岡崎彰夫
- 出版社/メーカー: 森北出版
- 発売日: 2015/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
他の画像処理についても書評記事を書いているのでご参考まで。
以上です。
それではまた。
Inkscape 0.92 がリリースされたけど……
一月一日付でInkscapeの新バージョンがリリースされています。
Mac向けのバイナリ提供は今のところ無し。
背景?
開発者向けのメーリングリストからの断片的な情報*1によれば、 いつの間にか公式プロジェクトとしてはMac向けのバイナリパッケージは提供しないという決断をしたらしいです。
Macを保有するアクティブな開発者が不在なのか、経緯はイマイチ不明です。
Mac向けバイナリパッケージを提供しないほうが、アクティブなMac向けの開発者が参加するきっかけになるという目論見だったのでしょうか?
正式リリース告知後にMac向けのパッケージメンテナ(要するにソースからコンパイルしてアップロードする担当)の立候補者が開発者向けのメーリングリストに 登場したのが昨日。
そもそも公式プロジェクトとしてビルド用のツールとしてcmake
に移行しているのにMac向けの情報はAutotools
を使う手順のまま。
メインの開発者側としてもWikiを更新しようという動きはあるようなので、しばらく様子見中。
そのうち公式Wikiページのビルド手順も更新されるでしょうし、時間が経てば公式のパッケージが提供されるのだろうと思います。
主な新機能・変更点
- SVG2およびCSS3サポートの改善
- (SVG2の)Mesh Gradientsのサポート
- 新しいパスエフェクト
- ペンシルツールにおけるインタラクティブなスムージング
- すべての描画要素のための新しいオブジェクトダイアログ
- CSS標準との整合性(?)のためにデフォルトの解像度を90 dpiから 96 dpi に変更
“Mesh Gradients"というのはどうやらAdobeのIllustratorに存在するグラデーションメッシュに相当するようです。まるで写真のように本物らしく見えるグラフィックを作成できるとのこと。
デモ動画:Inkscape: Gradient Mesh - YouTube
解像度の変更ですが、以前のバージョンで作成したファイルを開くと確認のダイアログが表示されるようです。紙に印刷する場合など、用途によっては注意が必要かと思います。
リリースの告知文によると、今後の方針としてGUIツールキットをGTK3へ、バージョン管理システムをGitに、コードもC++11 にそれぞれ移行する方針のようです。
詳細なリリースノートは以下。CSS3の縦書きサポートの改善など日本語環境に関連しそうなものもあります。
Release notes/0.92 - Inkscape Wiki
なお、Mac環境固有のバグは修正されていないようです。
何はともあれ
MacPorts経由でインストールすることにします。 通常版ではなく、いわゆるネイティブ版としてビルド。
すでにMacPortsのパッケージ(というかビルド用のレシピ)が更新されているので、この方法でインストールするのが確実です。
XcodeそのほかMacPortsはセットアップ済みであるものとします。
※ 開発版をインストールしている場合はコンフリクトするのでアンインストール。
$ sudo port sync $ sudo port install inkscape +quartz
+quartz
をつけなければ普通のXQuartzに依存したばいなりになります。
注意点
Sierraでビルドした場合の問題はそのままみたいです。そのままの日本語ロケールだと異常終了するので下記のように起動。
$ LANG=ja_JP inkscape
関連するバグなど
- #52632 (Inkscape-app quits immediately after install) – MacPorts
- #52248 (inkscape, inkscape-devel +strict fails to build due to glibmm / glib2 deprecation misconfiguration) – MacPorts
まとめ
そのうち通常版のMac向けパッケージがリリースされると思われるので、しばらく待つほうがベターと思われます。
おしまい。
*1:昨年末からほぼROM状態ですが参加しています
ラズパイにOpenCV 3.2 をインストールする(暫定版)
前回の記事で年内の最後の予定だったけどせっかくなので。
ほぼ作業メモみたいなものです。
環境
- Raspbian
- Raspberry Pi 3 model B
準備
旧バージョンのアンインストール(元からインストールされている場合のみ)
OpenCV 3.1 をビルドしたディレクトリ(私の環境では~/work/opencv-3.1.0/build*1)に移動して下記を実行。
$ sudo make uninstall
ついでにmicroSDを圧迫するのでコンパイル時の中間生成物など古いファイルは削除しておく。
作業ディレクトリの作成
適当な場所に作業ディレクトリを作成して移動。
$ mkdir work $ cd work
依存ライブラリについては過去記事参照。
ソースの入手
公式からOpenCV 本体と拡張モジュール(contrib)のソースを入手。
- 本体:DOWNLOADS | OpenCV
- 拡張モジュール(contrib):Releases · opencv/opencv_contrib · GitHub
本体の方は"OpenCV for Linux/Mac"というリンクをクリック。拡張モジュールの方は3.2.0の"tar.gz"のリンクから。
wget
でダウンロードするなら下記のようにする。
$ wget https://github.com/opencv/opencv/archive/3.2.0.zip $ wget https://github.com/opencv/opencv_contrib/archive/3.2.0.tar.gz
展開
$ unzip opencv-3.2.0.zip $ tar zxf opencv_contrib-3.2.0.tar.gz
本体の展開先に移動し、cmake用の出力先ディレクトリを作ってそこに移動。
$ cd opencv-3.2.0/ $ mkdir build_with_contrib $ cd build_with_contrib
ビルド
最初から拡張モジュール(contrib)ありでビルドします。
CMake
前回と同じ要領で行くと、下記のバグ?に遭遇するのと、C++のチュートリアル(Example)のビルドでこけるのでそこを踏まえてcmake
を実行。
またfreetype
というcontribのモジュールも無効化します(後述)。
TBBは並列化のためのバックエンドの一つ。つまり代替手段があるので無効化しても問題ない。
$ cmake -D CMAKE_BUILD_TYPE=RELEASE \ -D CMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr/local \ -D INSTALL_PYTHON_EXAMPLES=ON \ -D PLANTUML_JAR=/usr/share/java/plantuml.jar \ -D ENABLE_NEON=ON \ -D WITH_TBB=OFF -D BUILD_TBB=OFF \ -D WITH_QT=ON -D WITH_OPENGL=OFF \ -D OPENCV_EXTRA_MODULES_PATH=../../opencv_contrib-3.2.0/modules \ -D BUILD_opencv_freetype=OFF \ -D BUILD_EXAMPLES=OFF ..
前回との変更点は以下のとおり。
- TBBの無効化("-D WITH_TBB=OFF -D BUILD_TBB=OFF"に変更)
- 8行目のOPENCV_EXTRA_MODULES_PATHを3.2向けに修正
freetype
モジュールをビルドしないように(-D BUILD_opencv_freetype=OFF)- サンプルをビルドしないように( -D BUILD_EXAMPLES=OFF )
cmake
の出力で、必要なモジュールが有効になっていることを確かめる。また、freetype
がDisabledのリストに存在することを確認する。
以下参考。
CMake configuration for OpenCV 3.2 (with contrib) 2016/12/30 on Raspbian jessie · GitHub
ビルド
$ make -j4
空冷ファンありなので発熱は気にせずに4並列でコンパイル。
使用しているのはUSB接続の小型ファンです。電源はHDMIディスプレイのUSBハブから確保しています。
タイムリー USBファン [ 40mm角ファンモデル ] LittleFAN40U
- 出版社/メーカー: タイムリー
- 発売日: 2015/06/03
- メディア: Personal Computers
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輪っかにしたマスキングテープを両面テープ代わりにして固定しているだけです。小型ファンの宿命として騒音がかなり気になります。
取り付け方法によっては振動も気になりますが、発熱による警告マークは表示されません。
インストール
$ sudo make install
普通にインストールするだけ。
動作確認
C++
過去記事と同じコードをビルドして実行できたらひとまずOKとします。
#include <opencv2/opencv.hpp> #include <iostream> #include <fstream> int main( int argc, char** argv){ cv::Mat img_rgb, img_gry, img_cny; cv::namedWindow( "Example Gray", cv::WINDOW_AUTOSIZE ); cv::namedWindow( "Example Canny", cv::WINDOW_AUTOSIZE ); img_rgb = cv::imread( argv[1]); cv::cvtColor( img_rgb, img_gry, cv::COLOR_BGR2GRAY); cv::imshow( "Example Gray", img_gry ); cv::Canny( img_gry, img_cny, 10, 100, 3, true ); cv::imshow( "Example Canny", img_cny ); cv::waitKey(0); return 0; }
過去記事と同じです。sample.cpp
というファイル名で保存して下記の手順でビルド。pkg-config
を使うのはデフォルトでインストールされているOpenCV 2.4が間違ってリンクされるのを防ぐため。
$ g++ `pkg-config opencv --cflags --libs` sample.cpp
以下のようにグレースケール画像とエッジ抽出の結果が表示されれば問題なし。
Python 3
Pythonはモジュールのロードのみ確認。
$ python3 Python 3.4.2 (default, Oct 19 2014, 13:31:11) [GCC 4.9.1] on linux Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information. >>> import cv2 >>> cv2.__version__ '3.2.0' >>>
遭遇したエラーとその対処
以下、遭遇したエラーメッセージとその対処。基本的にビルド時に無効化しただけですが。
エラーメッセージでググった時にヒットすることを期待しています。読む必要は特になし。
TBB関連
[2017/06/08 追記]
最新の開発版では修正されているようです。そのうちリリースされるであろうOpenCV 3.3 で取り込まれると思われます。
c.f. TBB: fix build on ARM by mshabunin · Pull Request #8844 · opencv/opencv · GitHub
[追記ここまで]
エラーメッセージをメモし忘れた。現象は下記と同じ。
TBB compile error 3.1-dev · Issue #7890 · opencv/opencv · GitHub
前述の通り別の選択肢があるので無効にして回避。
-D WITH_TBB=OFF -D BUILD_TBB=OFF
バージョン3.1の時はすんなり通ったはずなんだけど。
[2017/01/23 追記]
解決先らしきものが issuesトラッカーに投稿されている。
- TBB compile error 3.1-dev · Issue #7890 · opencv/opencv · GitHub
- opencv/arm_linux_stub.cpp at master · opencv/opencv · GitHub
freetype モジュール
[2017/06/08 追記]
こちらについても最新の開発版では修正されているようです。
[追記ここまで]
ビルド自体は成功するかに見えるが、Python 3でOpenCVモジュールをロードしようとすると下記のエラーに遭遇する。
>>> import cv2 Traceback (most recent call last): File "<stdin>", line 1, in <module> ImportError: /usr/local/lib/libopencv_.so.3.2: undefined symbol: hb_shape
必要なライブラリであるfreetype2
とharfbuzz
はインストールされているので問題ないはずだが、実際にはエラーになっている。
関連:OpenCVのcontribにモジュールを追加してPRしてみた - Qiita
便利なモジュールが増えるのはいいことだけど、 使わない立場からすると微妙。環境依存でビルドに失敗するからといって文句言うのは筋違いなんだけど。
Githubの最新版では修正されているかも。
macOS環境のビルドエラーの修正だけど、他のバグも一緒にクローズされてる。なのでこの問題も修正されているかもしれない。未検証。
Example ビルドエラー
これも前述のfreetype関連なのか?
[ 84%] Building CXX object samples/cpp/CMakeFiles/cpp-tutorial-pnp_registration.dir/tutorial_code/calib3d/real_time_pose_estimation/src/RobustMatcher.cpp.o [ 84%] Linking CXX executable ../../bin/cpp-tutorial-pnp_registration ../../lib/libopencv_freetype.so.3.2.0: `hb_buffer_get_glyph_infos' に対する定義されていない参照です ../../lib/libopencv_freetype.so.3.2.0: `hb_font_destroy' に対する定義されていない参照です ../../lib/libopencv_freetype.so.3.2.0: `hb_ft_font_create' に対する定義されていない参照です ../../lib/libopencv_freetype.so.3.2.0: `hb_buffer_add_utf8' に対する定義されていない参照です ../../lib/libopencv_freetype.so.3.2.0: `hb_buffer_destroy' に対する定義されていない参照です ../../lib/libopencv_freetype.so.3.2.0: `hb_shape' に対する定義されていない参照です ../../lib/libopencv_freetype.so.3.2.0: `hb_buffer_guess_segment_properties' に対する定義されていない参照です ../../lib/libopencv_freetype.so.3.2.0: `hb_buffer_create' に対する定義されていない参照です collect2: error: ld returned 1 exit status samples/cpp/CMakeFiles/cpp-tutorial-pnp_registration.dir/build.make:345: recipe for target 'bin/cpp-tutorial-pnp_registration' failed make[2]: *** [bin/cpp-tutorial-pnp_registration] Error 1 CMakeFiles/Makefile2:21767: recipe for target 'samples/cpp/CMakeFiles/cpp-tutorial-pnp_registration.dir/all' failed make[1]: *** [samples/cpp/CMakeFiles/cpp-tutorial-pnp_registration.dir/all] Error 2
ぶっちゃけなくてもいいので素直にOFFにする。
-D BUILD_EXAMPLES=OFF
まとめ
最低限の確認しかしていませんが、ひとまずビルド成功です。
ではまた。
2016年の個人的振り返り
結論から言うと滲出性中耳炎という病気に苦しめられた年。
現状など
残念ながら強制的なイベントは発生せず。
右耳の聴力低下と右耳で半ば強制的に封印されていたようなものですが。
3ヶ月もあれば治ると言う話だったのに9ヶ月も通院していて「どういうことなの?」という感じです。
一応、少しずつですが聴力は回復しています。まだ耳鳴り自体が完治していないので聴力も戻りきってない状態。
まあ病気療養中であるという大義名分のおかげで助けられている面もあるので、むしろ病気に感謝すべきなのかもしれません。
目標の達成度合いなど
当初の基本方針は問題なし。
基本方針は、頑張らない、見栄を張らない、無理しない、で行こうかな、と。
病気のおかげで結果的に無理が効かなかったので。
1月に立てた目標としては、
- 作りかけのiOSアプリをリリースする(開発者ライセンスが切れる前に)
- 形態素解析がらみで何か成果物をつくる
- WebAPIをつくる(Rails5 でAPI向けの機能が入るみたいなので)
- (多分)引っ越す
結局実現したのはiOSアプリ作成のみ。残念ながらAppExtentionに対応させようとするついでにリファクタリングしようとして頓挫していますがOKということで。
ブログ記事が2015年の51記事から今年はこの記事を除いて114記事なのでアウトプットは増えています。これは10月にラズパイを購入したのが大きい。
ラズパイとOpenCVに入門したのが今年のハイライトなんじゃないかと思います。
今年の出来事で印象に残っているもの
特に順序に意味はなし。世間のことはとりあえずスルー。
- 関東遠征(観光)
- 滲出性中耳炎
- 寝袋
- VPSの移行
- 複合機の故障および廃棄
- MacBook Air のSSD交換
- Kindle Unlimited
- Ubuntu 16.04 LTS
- Swift 3 リリース
- ラズパイ購入
- Mapt 加入
- まさかの円高
こんなところかな?
精神的な変化
今年は去年以上に内省的だったような気もする。自分がプログラミングそのものが好きなんじゃなくて、コンピューターのもたらすご利益が好きというのが一年間で一番の収穫。
もう一点、サービスにしろソフトウェアにしろ、IT系は基本的に「残らない」ってことを再認識したり。
去年の11月にマレーシア在住の知人と話をした時はピンとこなかったけど、漠然と海外移住したいと思い出したのも今年。
聴力低下でリスニングがイマイチというのが最大のネック。
その他反省点
- 先読みしてあれこれ買い込んで結局活用しないパターンが多いような気がする
- Twitterのタイムラインをだらだら眺めて時間を浪費している
- 根気強さというか集中力が続かないケース多し
- 筋トレとかストレッチをサボり気味
- 未消化TODO項目多すぎ
- 現実逃避しすぎ
お察しくださいレベル。
来年(2017年)の抱負の候補
基本方針は継続。
1年前との心境の変化としては海外移住したいというのが一番。
来年1月から年齢制限が35歳まで緩和されるそうなので、聴力と資金がどうにかなればオーストラリアのワーホリを目指してみたい。
もう一つ来年やりたいのは翻訳(もちろん技術書)。
プログラミングよりコンピューター関係の本を読んだり知識が増えることに楽しさを感じるタイプなので。
ストレングスファインダーの結果からして悪くはないと思ってる。
何はともあれ、やりかえの英単語帳の続きをやるのが第一歩か。
技術面の目標
FPGAに入門する(発注済みなので)→ 諦めた(2017/09)- 未経験のプログラミング言語に手をだす(C#が有力候補)
- 何かゲームアプリを作る
- iOSのMetalを活用した何か
- ディープラーニング(今更だけど)
- Coursera | Online Courses From Top Universities. Join for Free
Mapt の月額費用の元を取る→解約(2017/01)- 購入後放置状態のオライリーの本(英語)を読む
- 本格的にPython でコードを書く
先週時点でOpenCV 3.2 がリリースされていたり、来年はTesseract の新バージョン4.x も控えてる。過去のパターンだとラズパイ関連は2月末に新製品が発表されるとか。
よく考えるまでもなく、あれもこれもはできないかも。
予算と余力があれば、以下も候補。
そもそも新型のMacBook Pro が優先なので望み薄。
[2017/09 追記]
専用ハードウェア系はラズパイとスマートフォンで手一杯。
というわけで
まったくまとまりがないですが、皆さま良いお年を。
それではまた。
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